安全教育を実施しました
建築・電気・機械の各JV、協力業社、山口市の技術職員が参加し、建設現場で働く建設技能労働者に対する安全教育を実施する移動型安全道場「甕割(かめわり)号(※1)」により安全教育を実施しました。
甕割号とは、さまざまな労働災害体験を体験装置とVR(バーチャルリアリティ)体験でリアルに再現し、どういった場面に危険が潜んでいるかを実際に体験する車両で日本各地の現場に向かい安全教育を行っている車両です。
最近の現場では、安全対策の高度化により労働災害の発生件数は一昔前と比べて大幅に減少していますが、一方で、技能労働者にとって「何が危険なのか」ということを実体験から感じ取る機会が減少しており、それがゆえに現場で働く技能労働者の安全意識・知識・経験の低下が懸念されています。
甕割号の体験の前に座学により労働災害の発生件数の推移、他の現場のケーススタディなどを行い、労働災害の怖さを再認識しました。
その後、甕割号に移動して様々な体験活動を行いました。VR(バーチャルリアリティ)シミュレーターによる転落・転倒体験や、感電・過電流体験、酸欠状態の確認、安全帯ぶら下がり体験などを行い、実際の現場に潜む危険を体験者全員で共有し、どうしたら防げるかなどの意見交換を行いました。
また、胴ベルトとフルハーネスによるぶら下がり時の体への負担を体感し、落下事故の際に衝撃を分散するフルハーネス着用の重要性を体験しました。胴ベルトでは、ぶら下がり時に体の負担が大きく吊り上げられたときに、苦しそうな声が出たり、頭が下向きになることから顔が赤くなったりすることで見ているだけでもつらいのが良くわかります。一方フルハーネスで吊り上げたときには脇の下、胸、太ももなどで分散して荷重を受け止め、姿勢も安定することが写真からもよくわかりますね。
こうした様々な体験活動を通じて、労働災害防止に対する危険な場面の共有を図ることができました。
今日も、明日も、これから先も ”ご安全” に施工できるよう本工事に係わる作業員全員で共有して進めてまいります。
(※1)「甕割(かめわり)号」の名前の由来
司馬温公の瓶割り(しばおんこうのかめわり)の逸話に由来し、どんなに貴重なものでも人の命には代えられないという教えから、甕割号の運用を通じて労働災害ゼロを目指していきます。
司馬温公の瓶割り…中国北宋時代の政治家である司馬光が幼少期に、大きな水瓶に落ちた友人を救うため、迷うことなく貴重な水瓶を割って助け出しました。貴重な水瓶を割ったので叱られることを覚悟していましたが、父親は、改めて命の尊さを教えたと言います。